ハンバーガーショップの店員がバンズの上に寝転がったり、コンビニ店員がアイスクリーム用の冷凍ケースに寝転ぶなどの動画が過去にネット上で拡散され、メディアで大きく取り上げられました。
私の中では、この頃からこういった「悪ふざけ動画の投稿」が目立ちはじめ、その後もコンビニでおでんをツンツンしちゃうおっさんや、炎上目的で先生を罵倒してキレさせる学生、牛丼店の紅しょうがを全部食べちゃうヤツなど、くだらない事で世間の目を自分に向けたがる人種が増えたように思います。
海外では、ハンバーガーのパティを焼く鉄板の上でネズミを焼いちゃったり、もはやネット上は無法地帯と化しております。
そしてここ最近続けて拡散された、すき家とくら寿司という大手飲食チェーン店にて撮影された悪ふざけ動画が話題(炎上)となったのがきっかけで、新たにバイト従業員による悪ふざけ動画が各チェーン店にて次々と判明し、企業側が謝罪を行うとともに彼らに対して法的処置を行うような流れにあります。
特に救いようがないように思うのは、これらの悪ふざけ動画は本人たちが「お店の従業員」という立場でありながら、自ら撮影し発信しているということ。
第3者が見て面白い要素など微塵もなく、どちらかというと不快感を覚えるような動画をSNSで発信したいと思う思考は理解に苦しみます。
こんなことで目立って取り上げられて、有名人にでもなったつもりでしょうか。
何故若者達は悪ふざけ動画をSNSで発信してしまうのか?
話題となっているこれらの悪ふざけ動画に共通しているのは、それらのほとんどが高校生もしくは大学生などの若い世代の方(20歳前後)が、悪ふざけ動画をネット上に挙げているということです。
動画を見た感じだと、彼らの目的としてyoutuberのように生計を立てたいとか、大々的に人気者になりたいとか、そういった類のものではないように思います。
本人と友人達の中だけで、少し注目を浴びるために悪ふざけをして楽しんでいる、といった内容になっているものです。
しかし、現実としてネット上に挙げられた動画は、全世界の方に見られてしまうのですが、彼らはその事実をあまり深く認識していないように感じます。
現在では、特に若者にとってSNSという媒体は主なコミュニケーションツールとなっていて、当たり前のように身近に存在しているために、全世界に発信されているという実感が彼らにはないのかもしれません。
スマートフォンとSNSが普及したことで、手軽に写真や動画の撮影が行え、それらを簡単に発信する環境が整ってしまっています。
そのため、躊躇なく簡単にネット上に発信してしまうのだと考えられます。
悪ふざけ動画の投稿はなくならないのか?
過去にも話題となり、批判されているにも関わらず何故未だにこのような悪ふざけ動画の投稿がなくならないのか。
彼らは過去に話題となった悪ふざけ動画が、炎上して損害賠償が発生している可能性があるということはおそらく知っているでしょう。
しかし、それでも悪ふざけ動画をネット上に挙げてしまうのは、過去の出来事は所詮テレビや新聞の中で起こっている出来事で、実際に自分の身に振りかかるという危機感が全くないのではないかと思います。
結果自分の撮影した動画が炎上すると思っていないため、同じような事例が発生してしまうのではないでしょうか。
また、このような事例を防ごうにも、SNSが身近にあり過ぎることで、逆に保護者からは目が届きにくいという特徴があり、保護者の監視の難しさも問題でしょうね。
かといって20年前、30年前には同じようなことをする人はいなかったでしょうか?
このような目立ちたくてバカをするという人はいつの時代にも存在すると思います。
しかし、われわれが学生だった頃にはSNSがたまたま普及していなかっただけで、もし今と同じようにSNSが普及していれば、もっと以前からこのような問題が発生していたのではないかと思います。
そういった時代背景も含め、問題としてSNSが身近にあり過ぎることで「情報発信が手軽すぎる」ということ。
そして、実際に自分には起こらないだろうという彼らの「認識の甘さ」ではないかと思います。
これらを改善しない限り、悪ふざけ動画の投稿がなくなることは難しいのではないでしょうか。
テレビなどのメディアには事件のその先を最後まで伝えて欲しい
過去の事例もニュースで取り上げてられ批判されてきました。
しかし、ワイドショーなどでは芸能人が否定的なコメントを言ったり、専門家が法的にどうこう言っているのをよく目にしますが、結局話題になった時だけ取り上げられて、想像だけの話で盛り上がり、最終的にどうなったかという結果があまり報じられてないように感じます。(仕事中にお昼のニュースなんかで報道していたらすみません…)
その先の結果はキッカケがなければ報道されていないように思います。
最終的に「そういえばあの事件って結局どうなったんだっけ?」と思うものが多く存在していませんか?
私が思うのは、われわれ一般人の情報収集の手段として1番身近にあるテレビが、このような事件を取り上げたのであれば「その先の結果を最後まで発信して欲しい」ということです。
例えばハンバーガーのバンズに寝転がる動画が投稿された件。
企業のお詫び文の中に、
「尚、該当者及び該当店舗に関しましては、社内調査、及び、関係者からのヒヤリング結果を踏まえ、弊社の社内規定に基づきすでに厳重な処分を下しております。」
※お詫び文より引用(バーガーキング)
と記載されています。
結局動画をネットに挙げた方がその後どうなったのかということを、企業側からもはっきり言っていません。
また、コンビニのアイスクリーム用冷凍ケースに寝転んだ件。
冷凍ケースに寝そべった男性は経営者の息子だったそうです。
お店は閉店となり、違約金や開業資金のローンなどに加え、損害賠償が3,000万程度だったとの噂があるものの、あくまでうわさで結局正確な金額はわからないし、その後彼らがどうなったのかもわかりません。
悪ふざけ動画に限らず、「このような罪を犯した人は、最終的にこのような処罰を受けることとなりました」というような、罪を犯してしまった人の末路とでも言えば良いのかわかりませんが、具体的に「これをするとこうなってしまう」というような明確な情報があまり得られていないように思うのです。
この「犯した罪に対する具体的な処罰」というものが明るみに出ることで、多少なりとも抑止力になる可能性もあるのではないかと思います。
ここまでの結果を求めることも、裁判が長い期間行われる日本では難しいのかもしれませんが…。
小さな悪ふざけが取り返しのつかない事態を引き起こす
あくまでうわさですが前述のような例もありますし、今回のくら寿司で撮られた動画もかなり厳しい状況です。
今回のくらコーポレーションでの悪ふざけ動画では、1度ごみ箱に捨てた魚を再びまな板に乗せるというもの。
衛生管理を徹底しなくてはいけない飲食店としては、経営上致命的ともいえる内容のものでした。
正直私も今後くら寿司を利用したくないと感じました。
そんなくらコーポレーションの株価は6日、130円下落し、時価総額約27億円の損失が発生したそうです。
たった数秒間の軽いノリで撮影された悪ふざけ動画が、企業に対してこれほどまでに損害を与えてしまうということです。
くらコーポレーションはこのアルバイト店員2人に対し、退職処分とした上で「刑事・民事で法的処置の準備に入った」と発表しています。
当然損害を与えたのは彼らなので、責任が問われるのは当たり前のこと。
罪の重さは実際に痛感しているでしょう。
莫大な損害賠償を求められ、人生が本当に辛いものに変わってしまうかもしれないということを、アルバイトが出来るぐらいの年齢になったのだから、しっかり考えてもらいたい。
出来ることなら…
このような悪ふざけ動画は、私自身投稿している人間をどうかと思っています。
特におでんツンツン事件のような、いい歳したおっさんの場合、そのおっさんの今後の人生には正直何の興味もないですが、これからがある若者に対しては考える必要があります。
実際に現在SNSがここまで普及していなければ、ここまでの問題にはなっていないのも事実ではないでしょうか。
結局利用されているSNSだって、運営側の収入源になっているわけでしょ?
基本SNSで何してくれてもいいよって自由に使わせて、何かあったら自己責任ってスタンスじゃないですか。
そうは言ってもSNSというのは、使い方を間違えなければ誰もが楽しめるとても便利なサービスなので、否定するつもりは全くありませんが、やはり人間なので度が過ぎてしまう人がでてきてしまうというリスクはあるわけですよ。
そのような人をかばうつもりもないですが、やはり無知な若者が100%悪いですというような社会に違和感はありますね。
リスクはあるわけですから。
SNSの運営側ならば、そういったリスクを回避するためのフィルターとなる機能を取り入れたり、企業側であれば社員やバイトに対する質の高い研修や勉強会、また損害に対する対策など、おこりうるリスク回避を検討すべきです。
特に悪ふざけ動画の被害にあったチェーン店では、人件費削減のために動画撮影時に社員がいなかった可能性も考えられます。
それなりの飲食チェーン店でも、各店舗に店長と副店長しか配置せず、他の従業員はパートとバイトという、実質社員数2人で構成されているというお店も少なくありません。
被害にあった企業に当てはまるかはわかりませんが、そういった視点で見れば、企業側の落ち度もゼロではない気がします。
まあ何にせよ、特にネット上で叩いてばかりの方も個人的にどうかと思うので、静かに動向を見ていきたいと思います。
ありがとうございました。