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天皇陛下の退位 憲法改正への疑問

 

2016年8月8日、天皇陛下が国民に向けて「生前退位」のご意向を発表されました。

 ※正確には生前退位をにじませる内容としています

 

現行の皇室典範には天皇退位の規定はなく、即位したら崩御するまで天皇の位にある終身制が採用されています。

そのため生前退位を実現するには皇室典範の改正や特例法の制定など、法整備が必要になります。

しかし、日本国憲法の第4条では「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」と規定されています。(国家機関としての天皇の権限が、憲法で定める国事行為に限定され、政治上の権限は一切持たないということ)

よって天皇が退位の意向を明確にし、法整備を求めることは憲法に違反する恐れがありました。

 

これを受けて2017年6月9日、天皇陛下の退位を認める特例法が可決、成立しました。

政府は「将来の先例となり得る」との見解を示しているそうですが、今回の成立に関して退位は陛下一代を対象としています。

天皇陛下が2019年4月30日に退位し、翌日の5月1日に皇太子さまが即位されることが正式に決まりました。

 

私もビデオ映像による「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」を拝見させて頂きましたが、私自身何かできる立場ではないにも関わらず、退位させてあげたいと感じました。

私と同じように感じた人は多いのではないでしょうか。

 

天皇陛下がおことばを国民に向けて発せられたことは、普通に考えれば象徴であるし自然の流れだとも思いますが、実はその真意として、今後のことも考えた上でこの「皇室典範の改正」に対する理解を政府だけでなく、国民に求めたのではないかと思います。

 

そんな中、今回はあくまで天皇陛下一代のみを対象にしている「特例法」という形で成立しました。

実際には退位が認められたわけですが、天皇陛下がこの「特例法の成立」と「皇室典範の改正」のどちらを望まれていらっしゃったのか、また今回の「特別法の成立」について、どう思われたかはわかりません。 

特例法の成立は「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と定められている日本国憲法第2条に、違反しているという声があがっているのが現状です。

どういうことかと言うと、皇位継承については「皇室典範で定めよ」となっています。

しかし、今回はこの「皇室典範の改正」ではなく、特例法という形で成立しました。

 

また、皇位継承について「皇室典範」では、「皇位は皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定められています。

 

天皇陛下の孫世代では、該当するのは悠仁さまだけとなり、皇位継承問題についても深刻な局面をむかえていました。

小泉純一郎首相時代、女性天皇や父方が天皇血統ではない女系天皇を認める報告書をまとめたのですが、悠仁さまの誕生により白紙に戻ると、安倍晋三内閣への政権交代で棚上げされました。

 

私が感じていることは、まず天皇陛下の退位について「憲法第4条に違反する恐れがある」「憲法第2条に違反している」という中で、なぜ「皇室典範」そのものの改正を検討しないのかということです。

皇室典範」の改正に伴って、それに関わる事柄全てを見直さなければならなくなるのかもしれません。

しかし、法改正が行われれば多かれ少なかれ何でも同じではないでしょうか。

 

そして皇位継承問題についても、女性、女系天皇で何がダメなのか。議論できる材料がある今こそ、しっかりと議論してもよいのではないでしょうか。

女性、女系天皇については保守派が「男系男子継承を続けてきた皇室の伝統が崩壊する」と強い抵抗感を示しています。

また、安倍首相に近い政府関係者も「女系天皇という歴史上なかったことを実行するのは難しい」としています。

 

私からすれば、反対意見をとなえるのはいいとして、こういった意見で反対する議員は、どうか御退陣して頂きたいというのが本音ですね。このような立場の人が低レベルな理由付けで反対意見を堂々と言うのはいかがなものか。

 

そもそも伝統が崩壊するとか、今までにないことだからなんてのは、何の理由にもならない。

「今までに経験のないものはできない」なんてのは、色々な事柄に関して何も変える事ができない。

こういった議員からは何も生まれないのです。

何でもそうですが、今までにないものを取り入れて、やってみてこそ、新しい時代を切り開く事ができるのです。

 

1500年続いてきたと言われれば、確かに歴史的な価値としてとらえられるのかもしれませんが、時代と共に状況は変化していくもの。

伝統を守るのも大事ですが、伝統にどれ程の重要性があるのかを考えた上で議論すべきです。

 

守られるべき伝統とは、例えば昔ながらの製法を守り続けている木工職人や和紙職人であったりと、そのもの自体に非常に価値があり、作られるようになったプロセスが重要であるという部分がとても大切だと思います。

男系が伝統なのはいいとして、なぜ男系でなければならないのか。そこにどれだけの重要性があるのか。

女性天皇が結婚して出来た子供は、婿側の血筋に変わってしまい、神武天皇以来一貫して繋がってきた皇室の血筋が絶えてしまうということになるそうですが、全くの意味不明。

その考え方自体が変だと思うし、明確な理由がない限り、今の時代性差だと思う人も間違いなくいるのではないでしょうか。

 

まあ私としては女性を下に見るとかではなく、皇室の血筋から生まれたら、たとえ婿を迎え入れたといえどもその子供は皇室の血筋ではないのか、というとこです。

たとえ女性であっても、とても好感が持てる方が天皇になられるのであれば、日本国民にとっては「男系の男子が継承」という伝統なんかより、女性天皇の誕生という現実の方がよっぽど素敵なことだと思います。

 

偉そうにグダグダ言いましたが、所詮私の知らない歴史やしがらみがあると思うので、「100%間違ってる」なんてことは言えませんね…。

 ※議員の意見のくだりは間違ってると思います

 

最後に私の意見として、「天皇陛下を退位させるべき」とか、「女性、女系天皇は認めるべき」だとか、別にそういったことを言っているわけではありません。

ただ、もっと柔軟に考えて選択肢が増えても良いのではないのかなと思うのです。

 

皇室典範の改正に関しては、もちろん国会にて取り扱われるものですが、その内容については皇室の意向が取り入れられても良いと思います。

皇室における伝統は、当然皇室の方々の方が認識していらっしゃいますし、そもそも赤の他人である国会議員がああだこうだ言っている方が違和感ないですか?

皇室が伝統を認識している上で女性天皇を誕生させるようなことがあれば、それこそ十分な議論や覚悟があるはずなのです。

 

国会にて十分に議論された結果として、皇室典範憲法改正が行われないのであれば、特に何とも思わないのですが、「初めてのことはできない」など、あまりにも低レベルな意見が飛び交い、十分な議論にならないのであれば、国会は全くと言っていいほど機能していないように思います。

 

今後の法改正に伴い、議員だけでなく、もっともっと国民の意見が反映されるような日本になって頂きたいと願う次第であります。